マンションの新築を考えているオーナー様の中には、「2025年から省エネ基準が義務化されたと聞いた」・「さらに2030年に向けて、もっと厳しくなるらしい」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
3月17日の記事では「2025年から省エネ基準が義務化」について記載いたしました。
結論からいうと、2025年4月以降に着工する新築建築物は、原則として省エネ基準への適合が必要になっています。さらに国は、遅くとも2030年度までに、この省エネ基準を【ZEH/ZEB水準(※今までの省エネ基準より、さらに高いレベルの省エネ基準)】へ引き上げる方針を示しています。つまり、これから新築マンションを計画するなら、「今の基準を満たせば終わり」ではなく、将来の基準強化も見据えた計画が重要になってきます。
今回はこの2030年の省エネ基準について解説いたします。
※2025年からの省エネ基準は上記リンクからご確認をお願いいたします。
2030年に向けて、何が変わろうとしているのか

国土交通省は、2030年には「ZEH水準の省エネ住宅」が新築の標準になることを案内しています。また、ZEH・LCCM住宅の推進に関するページでは、遅くとも2030年度までに省エネ基準をZEH基準の水準へ引き上げると明記しています。
つまり、今後の流れは、2025年からは「現行の省エネ基準に適合して建てる」。2030年度までには「その適合ライン自体がもっと高くなる」という理解で大きくは間違っていません。
なお、ここで注意したいのは、「すべての新築マンションが直ちにZEHそのものになる」と断定するより、国が省エネ基準そのものをZEH/ZEB水準へ引き上げていく方向にある、という表現のほうが正確だという点です。制度の細かい設計は今後の運用や技術基準の具体化も関わるため、オーナー様としては将来の新築は今より高性能化が前提になると捉えておくのが実務的です。
オーナーにとって何が負担になりやすいのか

今後、新築マンションのオーナーにとって増えやすい負担は、まず建築コストの上振れです。国交省の省エネ特設サイトでも、ZEH水準の建物では、断熱性能の高い外壁・屋根・床、樹脂製サッシや複層ガラス、高効率な冷暖房・給湯設備、LED照明などが重要になると説明されています。仕様が高性能になるほど、一般に材料費や設備費は上がりやすくなります。
2つ目は、設計・確認申請・性能検討の手間です。省エネ基準への適合は建築確認と一体的に扱われるため、設計段階から断熱・設備・一次エネルギー消費量などを見込んだ計画が必要になります。将来の基準強化を見越すなら、単に今の最低基準を満たすだけでなく、数年後でも見劣りしない仕様かどうかを最初から検討する必要があります。
3つ目は、商品企画そのものの見直しです。たとえば、窓性能を上げるとコストだけでなく開口計画や外観計画にも影響しますし、高効率設備の採用は住戸内スペースや共用部計画にも関わります。将来的に賃貸募集や売却時の競争力まで考えると、「法律上通るか」だけでなく、「将来選ばれる建物か」まで視野に入れた企画が必要です。
つまり、今の【2025年の省エネ基準】で新築を作れば費用を安く抑えることはできますが、将来の競争力まで考えると、少し先の省エネ水準も意識したほうが安全ということです。
【2025年の省エネ基準】で建てたマンションは、あとから【2030年の省エネ基準】に合わせなければならないのか

ここは誤解されやすいポイントですが、【2025年の省エネ基準】で適法に新築したマンションについて、後から建物全体を一律で【2030年の省エネ基準】へ引き上げるよう求める、と国が今説明しているわけではありません。 国の説明はあくまで、2030年度以降に新築される建物の基準を引き上げていくという立て方です。
したがって、既に適法に建てたマンションが、将来になって自動的に違反建築になる、という理解は適切ではありません。むしろオーナーが注意すべきなのは、将来の増改築や大規模改修の場面です。
リフォームや改装にも関わるのか
リフォーム・改装も関わります。
ただし、既存建物全体に一律でかかるというより、「増改築を行う部分」にかかると考えるのが正確です。国交省は、増改築について、改正後は省エネ基準適合を求められるのは増改築を行う部分のみであると説明しています。たとえば、増築部分の壁・屋根・窓、あるいは増改築部分に設置する空調・照明などについて、一定性能が求められます。
つまり、将来、【2025年の省エネ基準】で建てたマンションに対して、【外廊下側の増築をする】、【大きく住戸構成を変える】、【外皮や設備を含む大規模改修をする】、といったケースでは、その工事部分について、その時点の基準を意識する必要が出てくる可能性があります。
これから新築を考えるオーナー様が意識したいこと

これからマンション新築を計画するなら、ポイントは3つです。
1つ目は、今の基準ギリギリではなく、2030年も見据えた仕様で検討すること。
2つ目は、断熱・窓・給湯・空調・照明などを個別ではなく建物全体で最適化すること。
3つ目は、補助制度や支援制度の活用も含めて事業収支を組むこと。
です。国交省はZEH等に関する支援制度も案内しており、性能向上の検討と資金計画はセットで考えるのが現実的です。
2025年から、新築マンションには原則として省エネ基準適合が義務化されています。さらに国は、2030年度までにその基準をZEH/ZEB水準へ引き上げる方向を明確に示しています。
そのため、将来マンション新築を考えるオーナー様にとって大切なのは、「今の基準に通るか」だけではなく、「数年後の標準に近い建物として成立するか」まで見て計画することです。建築コスト、設計の手間、将来の増改築への備えまで含めて、早い段階から省エネ性能を前提にした事業計画を組むことが、これからの新築では重要になっていくでしょう。
新築建築時の【省エネ基準】に関する不明な点はミニテックまでご相談ください!

今回は【2030年の省エネ基準】について解説いたしました。
この記事を読まれて『将来は新築を建てたいが、省エネ基準の詳細が分からない』・『新築を建てたまではいいが、将来的に不利になるのは』とお悩みのオーナー様、是非一度ミニテック西日本までお気軽にお問い合わせくださいませ。
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