中東情勢の緊迫化やホルムズ海峡周辺の通航制限などを背景に、原油やナフサをはじめとする石油化学基礎原料の供給環境が不安定になっています。
そうした中、TOTOの【システムバス・ユニットバスの新規受注見合わせ】に関する情報が広がり、住宅設備業界でも今後の供給動向に関心が高まっています。

一方で、TOTOからは『現在、通常通り生産・出荷は継続。すでに納期回答を行っているご注文につきましては、予定通り出荷。』との案内も出ており、現時点では状況を慎重に見守る必要がありそうです。
ただ、今後の情勢次第では、改装や新築で使用する部材の価格や供給に影響が及ぶ可能性もあるため、賃貸経営においても早めの備えが大切になってきます。
また、物価高に加え、省エネ基準の見直しなどもあり、今後の工事費用や部材価格の動向には注意が必要です。
【追記】
こうした動きはTOTOのシステムバス・ユニットバスに限った話ではありません。
2026年4月14日には積水化学工業も、中東地域の情勢不安に伴い、石油・ナフサ由来原料の調達環境が急速に悪化していることなどを理由に、建材製品群の価格改定を発表しました。
2026年5月20日出荷分から、対象製品について15%以上〜30%以上の値上げが予定されており、住宅設備や建材の分野では、今後も原材料価格や供給環境の変化が工事費用や納期に影響を及ぼす可能性がありそうです。

こうした状況にどう備えればいいのでしょうか?

設備の値上がりや供給不足が気になる中、オーナー様としてどのように対応していけばよいのか。
今のうちに確認しておきたいポイントを、下記にまとめました。
早めに情報を集めて整理する
こうした話題が出てから「何とかしなくては」と動き出しても、すでに部材価格が上がっていたり、希望する商品がすぐには手に入りにくくなっていたりすることもあります。
そのため、世界情勢や経済動向、法改正や制度の見直しといった情報を日頃から確認し、早めに状況を把握しておくことが大切です。
直近の工事予定を確認しておく
退去予定のお部屋や、現在空室対策としてリフォームを検討しているお部屋がある場合は、まず工事内容を確認しておくと安心です。
今回のように、システムバスやユニットバスの供給に影響が出る可能性がある場合には、浴室の設備交換が予定に入っていないか、一度整理しておくとよいでしょう。
特に、すでに見積もり中の案件や、これから発注予定の工事がある場合は、設備の納期や代替品の有無によって、スケジュールが変わる可能性もあります。
現時点ですぐに大きな影響が出るとは限りませんが、早めに確認しておくことで、その後の対応もしやすくなります。
管理会社や施工会社に、現在の供給状況を確認する
住宅設備の供給状況は、ニュースだけでは判断しづらい部分があります。
同じメーカーの商品でも、品番や仕様、時期によって対応状況が異なることもあるため、実際の案件ごとに確認していくことが大切です。
すでに進んでいる工事については、
- 予定どおり進められそうか
- 納期に変更の可能性があるか
- 代替商品で対応できるか
といった点を、管理会社や施工会社と共有しておくと安心です。
こうした確認は、単に工事の進み具合を把握するためだけではありません。
オーナー様にとっては、納期の遅れや代替品への切り替えが、結果として募集開始の遅れや空室期間の長期化、修繕費の増加につながる可能性があります。
とくに退去予定のお部屋や、早めに募集を再開したいお部屋がある場合には、設備の供給状況を把握しておくことが、賃貸経営への影響を小さくするうえで重要です。
設備の供給が不安定なときは、代替案も視野に入れる
賃貸物件では、必ずしも当初予定していた商品だけが唯一の選択肢とは限りません。
状況によっては、同等グレードの商品や、別メーカーの設備で対応できる場合もあります。
もちろん、物件の仕様やグレードとの兼ね合いはありますが、供給が不安定な局面では、選択肢をひとつに絞りすぎず、柔軟に考えておくことが大切です。
「まずは予定どおりの設備で進められるかを確認しつつ、難しければ代替案も検討する」
そのくらいの構えでいると、対応しやすくなります。
空室募集への影響も見据えておく
物価高騰や供給不足の影響で、設備の納期や工事時期がずれると、原状回復の完了時期や募集開始のタイミングにも影響が出る可能性があります。
とくに、退去後すぐに募集を始めたいお部屋では、工事の遅れが空室期間の長期化につながることもあるため、あらかじめ注意しておきたいところです。
そのため、設備の供給状況が気になる場合は、
「工事が遅れた場合、募集スケジュールにどの程度影響しそうか」
という視点でも確認しておくとよいかもしれません。
今後はどのように対応すればいいのか?

現時点では、すべての改装工事や新築計画に直ちに大きな影響が出るとは限りません。
一方で、中東情勢や原材料の供給環境によっては、今後、住宅設備や建材の価格・納期に影響が及ぶ可能性も考えられます。
そのため、これまでご紹介したように、事前に確認できることは早めに整理し、状況に応じて備えておくことが大切です。
このような局面では、管理会社の対応力によってオーナー様の負担が変わることもあります。
たとえば、代替設備の提案ができるか、工事の遅れを見越して募集スケジュールを調整できるか、修繕の優先順位を整理して無駄なコストを抑えられるかといった点は、物件の収益に直結します。
「工事や設備交換のたびに判断が後手になる」「今の管理会社がどこまで先回りして提案してくれるのか分からない」と感じる場合は、一度管理体制を見直してみることも有効です。
状況が大きく変わってから慌てるのではなく、現時点でできる確認を進めておくことが、結果的に安定した賃貸経営につながるのではないでしょうか。
【追記】
4月15日に掲載したブログにて【現在入居者様がお住まいの物件について、オーナー様が今のうちにできることはあるか】をまとめましたので、こちらもご一読いただけましたら幸いです。

部材など供給・高騰に関することで、不明な点があればミニテックまでご相談ください!

今回は、部材の高騰や供給不安についてご紹介しました。
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